秋晴れというくらい、秋の天気が良い日は心地いい。
暑い夏が終わって、その華やかさは失い、寒い冬に向けて一歩一歩進む時期なのに、夏の暑さの疲れが一掃されるような爽やかな季節だ。
天気が良い日は、空は雲一つ無く抜けるような青さだ。空の青さとは対照的に山の緑は燃えるような赤や、黄色に彩られて、その色彩豊かな様は、1年中を通して一番美しいのではないかと思う。
数カ月後には色のない季節へ移り変わる。その世界へ移る前の一瞬にこれでもかというくらい、その美しさを見せつける。
秋は収穫の季節だ。冬への備えのために、稲を始め、果物やらなにやらたくさんのものが実を結ぶ。豊穣の季節だ。
こんなにいい季節だけれども、台風も多い。台風が来て天気が最悪のときは、せっかく実った稲や果物達がダメになる。
大雨も多い。雨が降り注ぎ、川が氾濫すると、頭を垂れた稲も冠水する。そしたらもうダメだ。
台風で風が強いとせっかくなった木の実達も落ちてしまう。1年の苦労が全部水の泡と消える。
でも天気がどうなるか、誰も予測がつかない。天気予報はあるけれど、その被害の大きさは予測したところで、どうにもなるものでもないところが人間の無力さを感じるところだ。
よりによって、収穫まであと一歩というところで甚大な被害に見舞われることも多い。まるで自然の力のすごさを見せつけて、如何に人間が非力なのかを思い知らされる季節のような気もする。
科学が発達して、昔のように日照りがあっても冷害があっても、食物は稔るようになったけれども、天気を制御する術は持ち得ない。そんな技術がもしかして開発されたら、人間の傲慢というべきか、いつかバチが当たるような気がして怖い。
秋は、自然の美しさを見せてくれる素晴らしい季節であるけれども、同時に自然の驚異を見せつける季節でもある。
何事も表裏一体。いい面があれば、必ずその裏もある。秋はなんとなく複雑な季節だ。