東京の冬の天気は晴れの日が多い気がする。晴れが多いせいか空気が乾燥する。それでいて風が強い。気温はそれほど低くはないけれど、それなりに体の芯から冷える気がする。
生まれ育ったのは北国だ。北国の冬の天気は荒れる日が多い。11月下旬から一気に冷え込んで、朝には霜が降りる。1月2月の寒さのピークに向けて気温は下がる一方だ。
天気がいい日は、放射冷却現象で朝晩の冷え込みは一層強まる。本当に冷え込む。
それでも、学生の頃は朝早く起きて通勤する。1時間に2本しかない電車を待つために、凍える中ホームに立つ。吐く息は白く、吸う空気が冷たすぎて鼻の奥がツンとする。ようやく電車が到着して暖かい車内に入ると、ようやく一息つける。
北国の冬の天気の悪い日は半端無くひどい。特に雪が吹き荒れる日など、外に出られるものではない。
雪が横殴りに容赦なく降る。そんな日は車も乗れない。目の前のウインドウがすぐ真っ白くなって視界が悪く、前が見えない。降り積もる雪で道路も真っ白、景色も真っ白で何もわからない。行き先さえもわからなくなってしまうのだ。
それでも行かなければいけないときもある。吹き付ける雪に逆らいながら一歩一歩、降り積もったばかりの雪を踏みしめて前に進む。足も手も顔も全部冷たい。体にも雪が降り積もる。その寒さといったら半端ではない。
そんな北国の冬の寒さに比べたら東京の冬なんて全く寒いうちには入らない。
天気が悪いといっても、せいぜいみぞれくらいだろう。雪は1年に1度か2度。積もってもすぐ溶けてなくなってしまう。だから冬は楽だ。うちなんかは狭いマンションだから冬でも暖かい。若干は寒いけれど、エアコンをヒーターに切り替えるだけで寒さはしのげてしまう。北国の寒さは石油ストーブにこたつだ。
雪国の中での生活はほんとうにしんどい。屋根に積もった雪や、玄関の前に積もった雪を払うのも一仕事だ。長い冬、それでも雪解けを辛抱強く待ってようやく春がくる。
春の兆しが見えた晴れの日、雪の中から芽吹く命を見つけたら顔がほころぶ。